※当記事は2025年4月の内容です。
コーディネーターは「紹介者」ではありません
私たちコーディネーターは単なる案件の「紹介者」ではありません。 むしろ「営業部隊」と認識していただきたい気持ちで先生方にお仕事をお繋ぎしています。
自治体やビジネス交流会・保険会社に足を運び、頭を下げながら名刺交換をして人脈を地道に増やしていく。士業ではないので、門前払いを受けるケースも当然あります。
その先に、セミナー開催を営業して周り、チラシを作成して、自分で集客する為にお金と時間を費やす。そしてようやく何とか個別面談にこぎつけ見込み客を探す。
相続の困りごとが発生して自ら相談者が事務所に訪ねて来て下さるのとは違い、相続の困りごとに気づいていない方へ、発生するかもしれない「未来のお困りごと」を気付かせて差し上げる あの「苦労」。
やっと
「相続対策をしよう!」「認知症対策を講じておこう!」
と重い腰をあげられた相談者のご家族(親御さん側&お子さん側共々)に、
① 個別に詳しいヒアリングをして
② 全体で家族会議をして
③ 家族全員に相続対策における制度や対策の全てのご説明をして
(後見制度と家族信託の理解を深めていただく説明が一番エネルギーを使いますが……)
④ ご家族の方向性確認と具体的な対策を決めていただく
⑤ 選ばれた対策に必要な書類等をご案内して揃えてもらう
⑥ 家族関係図を作成する
ここまで前さばきをして、ようやく士業の先生にご案内をしたところで、
「ご紹介ありがとうございました。あとはこちらで……」
と言われてしまうと、
「いやいや そうじゃないです」
と、思うのは全国のコーディネータの皆さんも同じ気持ちではないでしょうか。
「一緒に協業をしていただきたい」と思う士業の先生にご案内していますが、一緒に伴走しつつ組成完了を見届けて、完了後の定期的なフォローも含めて、全体通しての指揮官役はあくまで私たちコーディネーターであり、「後はお任せしますから」ということではないのです。
費用面に関しても、家族信託コーディネート費用は士業の先生と按分でお願いしたいのはもちろんのことですが、信託以外の書類の手続きに関しても、お客様への請求は若干配慮していただきたい。
こちらがお客様を見つけてきたのですから、直接請求は正規の報酬規程より若干優しい金額で請求してほしいという気持ちを汲み取って下さる先生は少ないです。 私が士業の先生から紹介料をいただくはずもなく、キックバックをもらう訳ではないのですから、少しお客様に配慮していただきたい。
幸いに、今現在ご一緒に組んで下さっている士業の先生方は、そのあたりとても理解して下さり、
「コーディネーターの佐藤さんと連携してスムーズに進めていますので、私との打合せの回数も少なくて済んでいますから、正規のご請求よりも若干ですがお安くできそうです」
とお客様にご案内頂いているので、お客様もとても喜んで下さっています。
金額(そんな大きな値引きはされていませんが)の問題ではなく、「連携していますからね」ということを伝えて下さるだけでもお客様はとても安心して頂けるのを感じます。
ところが一方、
「うちでは決まった報酬規程がありますから」
と、全く配慮して下さらない先生もいらっしゃり、コーディネーターが苦労してご依頼者をここまで連れてきていることをまるで考慮して下さらないのは残念で仕方ありません。
「このお客様は、先生がご自分で営業して獲得したお客様じゃないですよね?」
と言いたいのを我慢するのみ。
しかし、二度とその先生の元にご案内する必要もないので、やはりお互い気持ちよく協業できる先生の所に依頼が集中してしまうのは申し訳ない限りです。
現在一緒に組んで下さっている士業の先生方は、どんなに案件が重なっても快く受けて下さるので心から助かっていますし、そういう温かい先生は、ご依頼者からの評価もとても高くクレームは一度も私の耳に入ってきたことはありません。
コーディネーターにとって、士業の先生と報酬の話をするのは、とても言い出しにくいことなのですが、ただの「紹介者」と認識されないように、ここは胸を張って取り決めをしなくてはならない大切なことだなといつも感じています。
快く協業くださっている士業の先生方(家族信託普及協会の先生が多いです)、本当にいつも有難うございます。
家族信託を1件受任するのもとてもエネルギーがいります。
コーディネーターは前線の営業部隊ですので、どうか
「いつも仕事を獲得してきてくれて助かるよ」
みたいなにっこり笑顔を見せていただけるとやる気が上がります!