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一般公開

#「親なきあと」問題を考えよう

第11回 「親なきあと」相談室の活動報告 ~ 一般社団法人みえ障害者の親なきあと相談室

一般公開期間:2026年1月1日 ~ 3月31日

※当記事は2026年1月の内容です。

 はじめに 
 今回ご寄稿いただいた鈴木さんは、ファイナンシャルプランナーとして「親なきあと」を心配する親たち向けの相談室を開設しました。地域の専門家と連携して多くの相談を受ける中で、さらに違う形の支援が必要と考えるに至り、障害者本人向けのお金の使い方勉強会や、障害者施設が運営するカフェでの仲間づくりの企画など、活動の幅を広げられています。
 三重県を中心に、東海3県の障害のある方のいるご家族の支えとなっている団体です。活動に関心を持たれたこの地域の専門職の方がいらっしゃいましたら、ぜひコンタクトを取っていただければありがたいです。
レポート
  一般社団法人みえ障害者の親なきあと相談室 代表理事 鈴木 伸行

1 みえ障害者の親なきあと相談室の設立までの経緯

 障害がある子を持つ親の中には、自分が年老いたり、亡くなったりした後の子どもの行く末を案じる人も少なくありません。私は会社を定年退職後、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取り、障害のある子供の親たちの相談室(令和元年11月)を開設しました。ファイナンシャルプランナーだけでは答えきれない問題を、相談室とネットワークをつなぎ、社会保険労務士・弁護士・福祉施設理事長・成年後見支援センター理事長などと一緒にお答えできる仕組みを作りました。

2 相談室の開設の経緯

 民生・児童委員を長年務めた妻の友人で、自閉症の子を持つ母親から「私が死んだら、この子はどうなるの?」という相談を受けました。子どもへの資産の残し方を分かりやすく説明することにより、少しは不安が減るのではないか、と思い、親子の年齢を考慮し、いつ、いくら必要になるかを試算しお金を残す仕組みと管理する仕組みを相談室でご家族とゆっくりお話してきました。ただ、親の不安はお金だけではありません。本人の財産管理のほか、施設に入る手続きやサービスを受ける手配をしてくれる成年後見人をつけるかなど、多岐にわたります。私で答えられない場合は専門家に問題点についての結果も伝え、一緒に改善できる方法を考えます。
 この頃です、全国親なきあと相談室主宰の渡部先生と直接お会いして三重県相談室を開設させていただきました。先生は快くお受けいただき、私で力になることがあればいつでも言ってくださいと言われた言葉が、今でも忘れられません。

3 FP相談室から一般社団法人みえ障害者の親なきあと相談室の設立(令和2年11月)

 相談室開始以来、新聞に掲載されましたので、沢山の相談者が新聞の切り抜き等をもって相談室を訪れていただきました。あまりにも多くの方がみえ、こんなにも多くの方が親なきあとの心配をしているのならば、個人のFP事務所ではなく、法人として理事と一緒に活動しテーマ別に体系的に学んでもらおうと考えました。
 コロナの時期、ほとんどの講演会ができなくなる中、私はオンラインを使って勉強会を開催し、オンラインと集合型で講演会ができるハイブリッド型講演会が実現しました。
 新聞で掲載されたこともあり、オンラインで勉強できることもあり参加者は東海3県だけでなく神奈川・静岡・奈良などからも入っていただきました。 ネットワーク会議で先生方と共に作り上げたテーマ別勉強会は沢山の参加をいただきました。

令和3年より令和6年までの勉強会開催状況です。

4 講師の方々

 私はゆうちょ財団の講師をさせていただいております。ゆうちょ財団の活動報告会などに参加して名刺交換をしてテーマ別勉強会の講師をお願いしました。また私のネットワークの士業の先生方などにお願いして多方面にわたり勉強会を開催することができました。
 ハイブリッドの勉強会風景 集合とオンラインで発信しています。

(渡部先生が講師を務められた時の風景です)

 新聞で掲載されただけでなく新聞のWEB版にも掲載されましたので沢山の方が勉強会に入られました。

5 障害者本人教育への挑戦

 買い物などのレジでお金を支払う機会の少ない障害者本人、親はレジでの支払いに時間をかけて後ろの人に迷惑をかけると、親がすぐに支払ってしまいます。買い物もゆっくりしないで本人の欲しいものを聞いてすぐに買い物かごに入れます。
 私たちは親から離れて実際のお金で実物の商品を会議室の中で模擬スーパーマーケットを作りコインホルダーに1,000円の予算を持たせて、買い物かごと電卓を本人に渡し、実際自分でお弁当と、飲み物とお菓子を1,000円以内で購入するロールプレーイングをしました。
 親がビックリするほど積極的に購入し、レジで精算するとき1,000円以内で買えた喜びを精一杯表現していました。親はヒヤヒヤしながら見ていましたが、本人の能力が垣間見えた瞬間であったと思います。
 アルバムは座学で親と一緒に生活にかかわるお金の勉強を受けます。その後スーパーの模擬店でコインホルダー・買い物かご・電卓をもって買い物をして、レジに並びます。
 初めて一人で買い物をして、電卓で計算し、レジに並んで予算内にお買い物ができた時の達成感いっぱいの笑顔でした。

 後日談 この後親御さんから、修学旅行にコインホルダーと電卓をもっていって、初めてお土産を買ってきてくれましたと喜びの声がありました。

6 仲間づくりお話懇談会への新しい企画

 福祉の原点は人だと、活動を始めた時教えていただきました。
 一人でも信頼できる人を、心から話し合える人の出会いを作ってほしいとの思いから、仲間づくりお話懇談会を開催しました。ゆっくりお話ししあい、お昼は障害者施設が運営するシャイカフェというレストランでお食事をします。障害のある子たちがランチを運んでくれます。楽しく語らい、仲間づくりの場所となりました。
 アルバムはグループ討議をしている写真とランチを運んでいる風景です。

7 2024年度の活動がゆうちょ財団に認められ2025年度活動報告会で優秀活動賞をいただくことができました。

8 最後に

 令和元年にFP事務所から始まりました相談室、令和2年には一般社団法人みえ障害者の親なきあと相談室を設立し、多方面にわたり活動させていただきました。
 障害のある子のご家族の不安を少しでも取り除きたい。今できることを準備して、お子さんと毎日笑顔で過ごしていただきたいという思いで、活動しています。 私たちと一緒に勉強してみませんか?
 ホームページを是非ご覧ください。

非営利型・一般社団法人みえ障害者の親なきあと相談室

代表理事 鈴木 伸行

三重県津市大谷町203番地1
事務所電話:059ー227ー0665 携帯電話:090ー4406ー5218
E-mail:nobuyukitomato@hotmail.co.jp